正に正論 小沢のしたことを決して忘れてはいけない

【正論】国学院大学教授・大原康男 反面教師として小沢発言を検証
2010.1.22 03:30

民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」による土地購入に関連して
小沢幹事長の元秘書である石川知裕衆院議員ら3人が政治資金規正法違反で逮捕された。
小沢氏も東京地検特捜部の事情聴取に応じる意向のようであり、
永田町を襲ったこの激震の余震はしばらく続きそうだ。

≪天皇をめぐる重要な問題≫
かねて指摘されてきた小沢幹事長に対する「政治とカネ」をめぐる論議は一段とボルテージが高まり、
そのために、昨年来の習近平中国副主席の天皇会見に際して飛び出した
非礼・傲慢(ごうまん)な小沢氏の発言に対する批判は、どこかに消えてしまったかのような気配だが、
そこには現憲法下の「天皇制」をめぐる重要な問題がいくつか散在していた。

記憶が薄れる前に一連の小沢氏発言を反面教師として一通り総括しておくことも決して無駄ではあるまい。

〈(天皇陛下がなされる)国事行為は、国民が選んだ内閣の助言と承認で行われるんだよ、すべて〉

今回の習副主席との会見のような天皇による外国賓客の接遇は、
憲法6、7条に列挙されている「国事行為」ではなく、象徴としての「公的行為」であるとする解釈は、
占領が終結してから歴代政府によって固められてきた長い歴史を有する。
その補佐責任は第一次的には宮内庁が、最終的には内閣が負うことになっているが、
内閣の「助言と承認」は必須条件ではない。
小沢幹事長は前述の発言から何日かたって「国事行為説」を撤回したが、
鳩山由紀夫首相は、民主党幹事長当時の一昨年6月5日、
「天皇陛下御即位二十年奉祝委員会」設立大会で
「国賓の接遇は国事行為には記されていません」と発言しているのだから、
すぐ小沢幹事長の誤解を是正してやるべきではなかったか。

ちなみに、ご即位20年を奉祝して昨年11月12日を臨時祝日とする超党派の立法を
民主党が最終的に見送ったのは、旧社会党系議員や連立与党である社民党などの
左派グループに配慮した小沢氏の意向だと伝えられている。

≪訪米計画にも政治利用の声≫

〈(内閣の)一部局の一役人が内閣の決定した方針をどうだこうだと言うのは、
  憲法の精神・理念を理解していない〉

たしかに、宮内庁は「内閣総理大臣の管理」に属する内閣府の一機関だが、
宮内庁長官の地位は各省庁の次官や外局の長官と同じではない。
長官は最高裁判所判事、高裁長官、検事総長、検事長、人事官、検査官などと同じく
認証官という重職の一つである。
明治憲法下でも宮中・府中の区別は厳然とあったが、
皇室の事務を所掌する宮内庁はその流れを汲(く)む特殊な官庁であり、
長官が皇室のご存在と両立し得ないと判断した政府の指示に異論を呈することがあっても
一概に否定されるべきではない。

〈(天皇陛下の)体調がすぐれないというならば、
  それよりも優位性の低い行事はお休みになればいいことじゃないですか〉

陛下のご日程に無理やり組み入れて会見が行われたのは12月15日の午前11時から。
この日は夕刻から賢所御神楽(おかぐら)が斉行されることになっていた。
賢所御神楽は天の岩戸神話に由来し、
新嘗祭と並んで皇室祭祀(さいし)の中でも最も由緒のある祭祀であり、
陛下が終日お心を安らかに保たなければならない日だったのである。

「優位性の低い行事はお休みになれば…」とは
「習副主席との会見を賢所御神楽に優先せよ」と言っているに等しい。
これこそ最も不遜(ふそん)な発言であろう。

思い起こせば、昭和48年秋に田中角栄首相が主導して天皇の米国ご訪問が計画されたことがあるが、
当時の宇佐美毅宮内庁長官は「天皇の政治利用」を理由とする反対の声があっただけでなく、
この年の10月には伊勢神宮の第60回式年遷宮が行われるなど、
皇室の行事が重なっていることにも配慮して政府に粘り強く抵抗し、
最終的にご訪米を見送ることに成功した。今昔の感に打たれるのは私だけではあるまい。

≪外国人参政権が手土産に?≫

〈天皇陛下ご自身に聞いてみたら、手違いで遅れたかもしれないけれども、
 会いましょうと必ずおっしゃると思うよ〉

国民統合の象徴として国民の敬愛の対象である陛下のご意思を勝手に忖度(そんたく)し、
自分の意を事実上強要するのと変わらない非礼極まる態度。論外と言うほかない。

しかしながら、憂慮すべきことは他にもある。小沢幹事長は昨年末に訪韓した際、
記者団との懇談の席で天皇陛下の韓国ご訪問を「結構なこと」と歓迎した。
その一方で、先日、小沢幹事長は永住外国人に地方参政権を付与する法案を
今国会に提出することを明言している。

本年は日韓併合100年に当たる。地方参政権を手土産にして、天皇陛下が訪韓し、
日韓併合を謝罪されるというのが年初に浮かんだ私の“悪夢”である。(おおはら やすお)

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100122/stt1001220331000-n1.htm
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