いいがら合戦

「いいがら、いいがら」
実家の辺りの人がよく使う言葉。

遠慮しなくても良いですよ とか 気を遣わなくても良いですよ という意味(だと思う)
「いいから」がなまって「いいがら」になる


近所の人が御裾分けを持って訪ねてくる。
そのやりとり
主「まあ、いいがら、いいがら」(遠慮)…しばらく押し問答して結局受け取る。
 「ありがとうございます。ちょっと上がっていってけらいん いいがら、いいがら」
 (家の中に入ってお茶でもどうぞ、遠慮せずに)
客「あら、忙しいっから、こごでいいがら、いいがら」
 (忙しいので玄関先で失礼します、どうかお気遣いなく)
 (忙しいと言いながら、近所の噂話など長々としている)
それでも2度、3度家に入ることを勧める、断る「いいがら、いいがら」のやりとり後、
主「んだら、ちょっと待って」と何かお礼のちょっとしたものを渡そうとする。
客「あら、なんだべ、あっぺとっぺだっちゃ いいがら、いいがら」
 (御裾分けに来たのにこれでは逆です。どうかお気遣いなく)
主「まんず、いいがら、いいがら」
 (遠慮せずに、どうぞ)
客「あら、いいがら、いいがら」
 (どうかお気遣いなく)
この問答も何度か続く で、結局受け取って帰る
主「あ~あがってこなくて良かった。」
 (家の中に入らなくて良かった)


以下、地元友人の冷静な分析
これは「いいがら合戦」という社交術
美しい?文化
客も家の主も「いいがら、いいがら」を連発しなくてはならない。
もちろん心からの言葉ではない。
いいがら合戦に主側が勝って、客が家の中に入る・・
・・客は後で「本当に入ってきたよ」と悪口を言われるはめになる
(そのあたりは、京の「ぶぶ漬け文化」に通じるものがある) 
どうぞ→「では遠慮なく」と物を受け取っては絶対にいけない。
「いいがら、いいがら」とひとまず遠慮しなくては、後々まで何か言われる。
どんな状況でも「いいがら、いいがら」と必ず家に入ることをとりあえずは勧める。
そして、結局同じような物、金額がいったりきたりする。

飲食店レジ前でもオバサマ方のいいがら合戦をよく見かける。


実家のあたりだけではなく、あちこちでそういうことはあるらしい。
友人の中でも、そのようなところに嫁いで苦労している人もいる。
実家周辺でも最近は外国人(学校の英語の先生など)が住んでいるけど、
言葉通りに受け取っていいというわけではないということにはなかなか慣れないらしい。
最近は、都会から「田舎暮らし」をするために引っ越してくる人や、
都会やアジアからのお嫁さんもぽつぽつと近隣に増えてきているので
必ずしも「いいがら」が通用するわけでもないらしい。

いいがら合戦、ちょっと面倒ではある。

でも、私と母親も
私「これ、良かったら飲んで(栄養補助食品)」
母「まあ、お金使うことないのに。いいがら、いいがら」
私「いいがら、いいがら、飲んで」

母「野菜送る?餅送る?」
私「あっちでも買えるから、いいがら、いいがら」
母「いいがら、いいがら、送るから」
私「お母さんに手間がかかるから、いいがら、いいがら」
母「いいがら、いいがら、け!(食べなさい)」
と、知らず知らずのうちにいいがら合戦をしている。

結局、双方受け取るのだから、あっさり「ありがとう」で終わらせればいいのに。と自分でも思う。
こういう場合の「いいがら」は他人同士のつきあいの建前というわけではなく
なんとなくこういう時の第一声は「いいがら」がでてしまうという感じ。
で、ちょっとふざけて「あ、そ」とあっさり引っ込める振りをしたりも親子間ではやる。
そうするとあわてて「いいがら、いいがら、もらってもいいがら」と二人で大笑いになる。
ありがたく頂戴することは前提の、儀式みたいなもの。
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おおやしまねこ