靖国参拝

【靖国考】
(下)首相が堂々参れる日いつ? いまだ残る「熱狂と偏見」
2013.8.16 06:09
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130816/plc13081606130002-n1.htm

政権批判は影潜めるも…
68回目の「終戦の日」である15日の靖国神社は、民主党政権時代には目立った厳しい政権批判は影を潜めた。
神社境内での集会や、付近で配られていたビラなどで安倍晋三首相の15日参拝を求める声は散見されたが、
首相の参拝自体が期待できなかった民主党時代のとげとげしさはなかった。
境内は正午の黙祷(もくとう)時は静寂に包まれ、落ち着いた「祈りの場」に立ち返っていた。
「安倍首相も正々堂々、お参りになる日を切に願っている」
境内で開かれた戦没者追悼中央国民集会で、日本会議の三好達会長(元最高裁長官)がこう述べると、
会場からは拍手が起きた。
ただ、昨年は「この国はまさに暗雲が漂っている」と焦燥感をあらわにした「英霊にこたえる会」の
中條高徳会長は今回、「この国の行方が見えてきたのはうれしい」と安倍政権の今後に期待感を示した。

◆民主への怒りと不満
振り返れば鳩山由紀夫元首相は平成21年10月の中国の温家宝首相(当時)との会談で、
「靖国のことは頭から消し去ってほしい」と述べ、自身と閣僚の不参拝を約束した。
靖国が「先の大戦では『靖国で会おう』を合言葉に多くの兵士が散っていった。
ご遺族は父や主人に会えるかもしれないとの思いであの場所に行く」(4月10日の安倍首相の国会答弁)
という「特別な場所」であることなど、眼中になかったのだ。

菅直人政権時代の22年には、境内の一角に菅首相と仙谷由人官房長官、
岡田克也外相を批判する写真が地面に貼られ、「TRAITOR(売国奴)」「ご自由にお踏みください」
と記されていた。民主党政権への怒りと不満が鬱積していた。
一方、今回の集会で衛藤晟一(せいいち)首相補佐官は環境整備の必要性を強調した。

◆国内の一部が火に油
首相は、中国、韓国のみならず同盟国の米国も巻き込んで外交問題化する15日の参拝は選ばなかったが、
在任中に時機を考慮して参拝する意向は変わらない。
とはいえ、靖国参拝が政治問題化するのは中韓だけが問題なのではない。
「アジアの中で靖国参拝に反対しているのは中韓2国だけ」(外交評論家の石平氏)だとしても、
日本国内の一部勢力が火に油を注いできたのも否めない。
「他国からいろいろ言われることなく、ちゃんとお参りできる国をつくりたい。
これができなければ戦後は終わらない」
首相はこの日、自民党総裁として私費で玉串料を奉納した。代理奉納した同党の萩生田光一総裁特別補佐は
記者団に、首相に託されたこんな伝言を明かした。
「先の大戦で亡くなった先人の御霊(みたま)に、本日は参拝できないことをおわびしてほしい。
靖国への思いは変わらないと伝えてほしい」

◆国内の一部が火に油
首相は、中国、韓国のみならず同盟国の米国も巻き込んで外交問題化する15日の参拝は選ばなかったが、
在任中に時機を考慮して参拝する意向は変わらない。
とはいえ、靖国参拝が政治問題化するのは中韓だけが問題なのではない。
「アジアの中で靖国参拝に反対しているのは中韓2国だけ」(外交評論家の石平氏)だとしても、
日本国内の一部勢力が火に油を注いできたのも否めない。
例えば中江要介元中国大使は12年4月に国会で、昭和60年12月に中国の胡耀邦総書記(当時)と
靖国問題を協議した際のエピソードを証言している。
同年8月15日に中曽根康弘首相(当時)が公式参拝したのをきっかけに、
日中関係が冷え込んでいたころだった。
胡氏「もう靖国神社の問題は両方とも言わないことにしよう。
黙って85年でも100年でも騒がずに静かにして、自然消滅を待つのが一番いいじゃないか」
中江氏「もし今黙っちゃったら、日本では『ああ、もうあれでよかったんだ』と
思ってしまう人が出るかもしれない」
冷静になろうと努める中国側を、むしろ日本側がたきつけているような構図だ。
時の首相がいかに真摯(しんし)に戦没者の慰霊と追悼の意義や正当性を訴えようと、
背中から矢を射る勢力が幅を利かせていては事態はなかなか改善できない。
靖国神社境内には、東京裁判で被告全員無罪を主張したインドのパール判事の顕彰碑があり、
パール判決文(意見書)を引用した次の碑文が刻まれている。
《時が熱狂と偏見とをやわらげた暁には また理性が虚偽からその仮面を剥ぎとった暁には 
その時こそ正義の女神は その秤(はかり)を平衡に保ちながら 
過去の賞罰の多くに そのところを変えることを要求するであろう》
残念ながら、靖国をめぐる国内外の「熱狂と偏見」はまだやわらいではいないようだ。(阿比留瑠比)
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